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2022-11-15

読んだ本(2022-#62): 面白くて眠れなくなる進化論


[No.3126]
#62「面白くて眠れなくなる進化論」長谷川 英祐

拙者が大学受験する時は、数学で点数がとれないけど経済学部志望で、国語と生物は点数をとれる、そんな高校生でした。
生物が好きで得意になったのは、生物を担当してくれていた若い先生が、個別に添削課題を見てくれて、拙者の不得意分野がどんどんなくなっていくうちに、生物学が面白いと感じるようになったからです。
筋肉の動く仕組みについて、授業よりも分かりやすく説明してくれたり、教科書とは違う見解や最新の研究を少し教えてくれたりして。

この本は、尊敬する方の読書履歴にあったので、マネして読んでみました。
ラマルクの要不要説、ダーウィンの自然選択説は知っていましたが、「進化」を研究対象にして論じることすら、特に天地創造説を唱えたり信じる人々にも受け入れてもらえなかったことを再認識します。
実際、現代においても天地創造説を信じる方々も少なくないですし、ヒトは醜いサルの子孫、と揶揄して進化論を受け入れない人々がいることも事実です。

進化論も進化している、という事実も興味深いです。突然変異や習得した特性は遺伝するのか、進化論を収束させていけそうな適用万能論という考え方、複層的な進化の駆動があるとする遺伝的浮動という考え方を知ると感じることがあります。
科学だけでなく、我々社会的人間の特性として、何かシンプルで万能な原理に魅力を感じたり、存在を信じるという傾向があるように感じます。
複雑な事象を理解するために、主要な要因に分解して、主要な順に要因分析や対策を感がるのは思考の方法として有意とは思います。しかし、だからと言って特定の要因だけで何かを実現できる、ではないことは認識し、特定の要因をフォローするだけで何かを実現できるわけでない、という謙虚さは必要と思います。

リチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子」は目から鱗が落ちたように面白かったですが、この本は縁側でのんびり温かいお茶をいただくように、落ち着いて、でも一気読みでした。

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