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2022-12-09

読んだ本(2022-#67):菜根譚

[No.3139]

#67「菜根譚」守屋 洋

プロジェクトメンバーに教えてもらった本です。

中国の古典の中では新しく、400年前の洪応明の著とされています。道徳である儒教が滅び、官僚の中でも道教や仏教に救いを求めるような時代に、科挙を通過した役人だったのにやめて、早くに道教や仏教の研究をした方だそうです。

書かれている内容は、短い漢文の詩と訳と著者の意見やコメントが、前編225と後編135と合わせて360編の処世訓の総まとめです。

高尚な精神世界の言葉ではなく、日常の生活、仕事、家族や人間関係のレベルで納得の、思い当たる節の多い教えです。

近くばかりでなく遠くを見る、急ぐばかりでなく落ち着いてみる、名誉ばかりを気にせずに自分の信じる努力を続ける、など、バランス感覚、いろんな側面や視点を持つことなどが大事だと説いているように感じます。

一喜一憂して心が落ち着かないということがないように、大局的に、落ち着いて、慌てずに、という事だと理解しますが、そんなのんびりしたおじいちゃんのような気持ちでは仕事も、生活もできないだろうな、が正直な感想です。

ただ学びもありました。一つの事象には見える表と、見えない裏もあるということ。禍福はあざなえる縄の如し、でもないですが、人生いろいろ、調子にのらず、諦めずに、コツコツと頑張れ、というメッセージは強く感じました。

手元に置いておいて、またちょこちょこ読むと思います。

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