[No.3202]
#15「伝説の校長講話」田村 哲夫、聞き手/古沢 由紀子
中高一貫の共学校、東大合格実績が有名な渋谷教育学園渋谷中学高校(通称:渋渋/シブシブ)と、渋谷教育学園幕張中学高校(通称:渋幕/シブマク)はいわゆる超進学校のイメージです。入学のハードルは実際にかなり高いと思います。
「自調自考」が学園の教育のキーワードだと知って、校長先生は、学年ごとに年間5回、90分の講話をすることに興味を持ちました。
中学一年生から、高校三年生までの各学年に向けて、なぜ学ぶのか、いかに生きるか、自分は何者であるか、何者になりたいか、と生徒に問いかけて考えるきっかけを与えています。
東大合格者数が注目を集めますが、あくまでも試験の結果であり、学校の本質や生徒の特徴を表すものではないことは明らかですが、とかく進学実績≒学校のよさ、と単純化して認識しようとするのが浅はかなだけです。しかし、浅はかと薄々感じながら、受験する親子や家庭も少なくないだろうな、と経験的に感じます。
なぜ勉強するのか、自分が何者か、何者になりたいか、それはなぜか、成人や大人だってスラスラと答えられない場合もありますが、中学や高校の生徒だから、子供だから答えられない、ということもないと思います。校長先生は、生徒を一人前の人間として接し、期待し、応援する、そんな愛情のある方にも感じます。
知識、知能、知性の関係の話も興味深いです。国を超えた世界の視座、地球を超えて、歴史を超えるような視座、これまでの先人の知恵を知るためにも読書が必要であること、職業選択や労働力市場での優位性のための学問ではなく、まずはリベラルアーツや教養を高めることの必要性、これは大人こそ聞いた方がいい話です。そして聞いた大人は、家庭や周囲の子供にも教えてあげる、そんなつながりができるといいんだろうな、と思いました。
拙者は、まずは家庭で、そしてチビ子や知り合いの子供に、いい話ができるようになりたいです。
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