[No.3366]
#2「ジャイロスコープ」伊坂 幸太郎
ついついの一気読みでした。短編が少しずつ関連づいていて、伏線を心地よく感じながらの読書でした。
この本のタイトルがジャイロスコープであることの意味や理由を、拙者なりに考えてみました。
ジャイロスコープは、縦横斜めの3次元をバランスよく保ちます。縦が動けば、横と斜めで調整しますし、倒れないためには、縦横斜めがすべて連動しておく必要もあります。
伊坂幸太郎作品を読んで感じることの一つに、どこかの何かが、今のこれにつながっている、と感じさせてくれることです。拙者のおばあちゃんが言っていたんです。お天道様が見てくれているからきちんとしないと、お天道様が見ていてくれるから大丈夫、と。
第4編「彗星さん達」には、パウエル国務長官の言葉として引用されています、「常にベストをつくせ、見る人は見ている」と。
拙者、何か運命や宿命なので、誰か何かは分からないけど、大きな、または強い誰かの力を信じる気持ちにはなれていません。特定の宗教や信心を否定するつもりもなく、特定の宗教や信心を大事にする人を軽んじるつもりもありません。
ただ、今こうなっていること、起こったことには理由があると思っていますし、自分が過去や今やったことが、今後の事に影響を与えていくだろう、と思っています。
誰も見ていない場所でもゴミをポイ捨てしないのは、おばあちゃんに言われたことを今でも拙者が信じているからです。
クルマが来ないと予想はするけど歩道が赤信号であれば、青信号に変わるまで待って、右左右を見てから渡るのも、チビ子にクルマに気をつけて、と言っているから、父ちゃんとしても約束を守ることで願をかけている、気持ちがあるからです。
因果応報と言えば、巡りまわってやってくる災いで嫌ですけど、自分の心掛けの積み重ねが、いつか誰かの役に立ったり、ちょっと嬉しいことにつながると思えば、元気も出てきます。出会った人に笑顔で挨拶する、困っている人に声をかけてあげる、社会生活もジャイロスコープだとすると、困った時はお互い様、という気持ちになれるのにな、と思いました。
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