[No.3386]
#9「アフリカで、バッグの会社はじめました」江口 絵里
主人公である仲本千津さんと、著者である江口絵里さんがいらっしゃるイベントを知って出かけ、お二人のサインを書いてもらった本がチビ子の部屋にありました。
文章や綴り方が、小学校高学年にも伝わるように書かれている、あまりにも豊富な経緯やバックグラウンドは省略しても、十分にポイントは伝えることができることを実感します。
中学、高校、大学受験、就職や転職という節目を前に、考えたことや悩んだことを思い出しますと、将来に対する漠然とした不安や、実現するために必要なタスクを前に呆然としたり、タスクを知りながらも怠惰な気持ちに負けたり、負けた自分に落ち込んだりしました。
早稲田大学を卒業後、大手銀行に就職し、海外支援団体に応募してアフリカに渡り、ウガンダのシングルマザーを支援するバッグを制作販売する社会起業家、と聞けば、どんだけエネルギッシュな人なんだろう、と思いました。
もちろんエネルギッシュな方なのでしょうが、悩むし、うまくいかない事もあるし、 失敗もあるし、振り出しに戻ることだってあったと知りました。
ビジネス本のリーダーシップに関する書籍の中に、「レジリエンス」というキーワードを見かけることが多いです。問題や課題にぶつかった時にも、回復できる力のことですが、何かを実現するために、本人の素養として重要な要素の一つと思っていましたが、この本を読んで確信しました。最初っからうまくいくことなんてない、ということは、うまくいかない時にどうやって回復するか、解決するかに成否はかかっている、と。
小学生の頃、幼い弟さんを亡くしたことが、とても大きな傷だったんだろうと思います。亡くした家族に関して自分の後悔を持ち続けることのしんどさ、拙者も少し分かります。後悔を前に進めるエンジンパワーに変えることができることも、少し分かっています。仲本さんのレジリエンス、マネしたいものです。
転職をしてきていることと関係あると思うのですが、何のために働くか、働くことで何を実現したいのか、誰に何に貢献できるか、生きる目的は何か、そんなことをよく考えていました。そんなことどうでもいいじゃないか、と言われたこともあるし、考えすぎじゃないか、と考え込む拙者に優しい声をかけてくれた友人や先輩もいました。
考えていてよかった、と今は思えます。今は、何の為に働くか、何を実現したいか、誰に何に貢献できるか、などは自分の中に見えています。生きる目的も、少しずつ形を変えながら描けています。
あくまでも主体的に選択して、試行錯誤をしながら、諦めずに奮闘することが、何かを実現できる、という気持ちさせてくれる、いい本です。
小学校高学年、高校生、大学生、働き始めて3年くらいの社会人、それぞれがこの本を読んでみていろいろ感じてみたら、いいだろうな、と思います。
Amazonの「本の説明」よりーーーーー
目の覚めるような原色に、花や動物、サークル模様がデザインされていて、持つだけで心が華やいでくる――人気のバッグ・ブランド「リッチーエブリデイ」を立ち上げた仲本千津さんは、いま注目の「社会起業家」です。
千津さんは、子どものころから「人の命を救う仕事をしたい」と思っていました。最初は医師になりたいという夢をもっていましたが、それをあきらめることになり、つぎに国連職員を目ざします。大学に入り、今度は研究者への道を進みましたが、銀行員として社会人生活をスタートすることになりました。それでも、自分の夢をかなえる仕事を探しつづけた千津さんは、転職先の仕事でアフリカ・ウガンダのシングルマザーたちに出会います。「彼女たちの力になれるビジネスはないだろうか」。そして千津さんは、アフリカンプリントを使ったバッグをつくる会社を立ち上げました――。
バッグづくりを通して、アフリカの貧困問題を解決し、女性を勇気づけ、輝かせたい――迷い、遠回りしながら、自分の信じる道を歩んできた仲本千津さんの姿を描く “進路決定”ドキュメンタリー。
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