[No.3387]
#10「終末のフール」伊坂 幸太郎
8年後に小惑星が地球に衝突する、という報道がされて世界中がパニックになって5年が経過、が舞台の短編です。
あと3年で地球が滅びるだろう、という日常で自棄を起こす者、暴動を起こす者、自ら命を断つ者など、そんな中で何を考えるかが、結果的に生きるとは何か、幸せとは何か、を炙り出してくれる気がします。
短編の登場人物のつながり、伊坂幸太郎の他作品との続きも感じて、伏線を楽しめるのは、伊坂作品好きとしては、いつも嬉しい限り。
将来に不安を覚えている人がこの本を読むと、不安が少しは和らぐような気もします。拙者は、以前、こわかった上司に会ってもらってかけてもらった言葉、を思い出しました。
・過去には戻れない
・自分がコントロールできない結果については、気にしすぎない
・自分が試みたプロセスに納得できれば、結果としての理不尽や不合理を受け止める
・受け止めても、自分の中に内なる炎を持ち続ける
・自分がコントロールできない結果にではなく、家族のためにエネルギーを使う
この小説にあるように、小惑星が衝突するという事態は、自分がコントロールできないことです。自分がコントロールできることを頑張ることで道が開ける、とそれからの拙者は考えられるようになりました。
少年サッカーでボールを蹴っていた頃、当時のコーチに言われたことを忘れません。ホイッスルがなるまでインプレー。自分で勝手に判定を判断するな、と。
この小説、映画「フィッシュストーリー」と繋がっているんだな、と思ったのですが、どうやら、映画「フィッシュストーリー」と、伊坂幸太郎の小説「フィッシュストーリー」は、どうやら別の物、という情報をwebで入手しました。
これまで、映画「フィッシュストーリー」を観たので、小説「フィッシュストーリー」は、読まなくてもいい、と思っていたのですが、小説「フィッシュストーリー」を読まなければならない、と思っています。早く読みたい。
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