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2024-05-08

読んだ本(2024-#36):人口で見る世界史

[No.3436]

#36「人口で見る世界史」ポール・モーランド

大学時代は、統計学の中でも人口統計に猛烈な興味を持っていました。過疎高齢化の地域に生まれ育ったことも影響しているとは思いますが、もっと単純にいろんなことを知る、わかるきっかけになるような気がしていました。

当時は、まだ中国の一人っ子政策が実施されているおり、その後どのような成果が出るか注視しているような時期でした。既に出生率が下がってましたし、小皇帝と呼ばれるわがままな子供の増加、男女比のバランスが崩れて女性が少なく、結婚が困難になりつつあること、戸籍を持つことのできない黒孩子(ヘイハイズ)の問題が指摘されていました。現時点で、世界で最多の人口なのはインドになり、中国の人口は2022年に減少に転じています。

出生率、乳幼児死亡率、平均余命が主な変数であり、その変数に影響を与えるのが社会制度、経済、宗教、医療の進歩、女性の教育などファクターを、いろんな国や時代を関連させて述べられています。ボリューム多めですが、一気に読みました。

人口の増加で心配される食糧や環境の問題よりも、現代においては少子高齢化で縮小する経済活動や社会福祉についての対策が、これといって出てきていないが現状だと思います。

人口が増えれば経済が発展する、という単純さはないものの、人口が減少すると経済は縮小する、は単純にも起こってしまう、という点に気が付きました。

人口置換水準、つまり一組の夫婦から2人ちょっとが生まれることが維持できなければ人口は減少します。婚姻数は減少していますし、晩婚化が進行しているし、合計特殊出生率は1.4人くらいですし、合計特殊出生率が2.0を切ったのは1980年くらいです。2005年からは、人口の自然減が起こっています。日本は、人口を増やすための取り組みが必要です。

働く女性が子供を生もうとする社会制度や支援も必要ですし、日本で生活したい、働きたいと希望する外国人を受け入れることも選択肢の一つです。何をすればいいか、は割と簡単に見えているように思います。

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