[No.3576]
「就職氷河期世代」近藤 絢子
拙者、学生時代に統計学に興味を持っていたので、都道府県別の人口、婚姻率、出生率などをデータで扱っていました。コーホート計算で、都道府県別に5年ごとの人口推計を行い、結論としては、2020年頃には、本州の先端地域であり人口集積地域から離れた青森県、高知県、島根県、鳥取県での人口減少が顕著であることを結論として持ちました。
拙者自身も、卒業し、就職し、転職し、結婚し、チビ子が生まれて経験するうちに、結婚や子育ての社会的意義、経済的なインパクト、転職における労働市場の流動性、大企業のよしあし、中小企業のよしあしを体験的に理解したことも増えてきました。
人口動態現象を、数量データで捕捉することは意義がありますが、限界もあります。例えば婚姻は、日本においては成人の専ら自由意思で結婚することができますが、結婚したいと思わない人もいます。結婚したいと思わない理由は、統計データを基にした推察では、経済的事由が主たる理由と語られることも多いと感じますが、拙者の見立ては違います。
結婚したいと思える相手に出会えていない、が主たる理由と思うのです。お金がたまったから結婚する、という人よりも、結婚したいと思う人がいるから結婚する、と考え行動する人の方が多いと思うからです。
このギャップは、経済学における行動経済学の登場を待つような気持ちです。経済学も勉強しましたが、歴史の学問、過去の分析に意義は感じますが、将来の予測や特定の顧客の購入額増加を導き出すことはできません。欲しくなったらちょっと高くても衝動的に買うし、ブランドブティックで素晴らしいホスピタリティを感じたら、高価なブランド品を買って大事に使い満足度も高いですし。
学校卒業時に、正規雇用でない率はバブル前とバブル後で10%差がありました。最初の就職が非正規の場合、最初の就職が大手企業の場合と中小企業の場合の差の捉え方は、著者と拙者で異なりました。
最初はなるべく大きくない組織で、上流から下流まで、仕入れから製造と販売とアフターサービスまで、の多くを経験した方が転職時の競争力としては高まると思います。
大きな企業では、若手は特定の領域のことを専門的に、そして上手にこなしがちなので、知識や経験の幅が広がらず、5年経過しても転職時の競争力が高まっていない、となりがちだと思うのです。
今でも人口統計にはとても興味があります。見えてくることは多いです。しかし、当時の指導教官に指導されたことを思い出しますが、見えていることがすべてではない、ということです、婚姻を収入の多寡を主たる要因として分析すると、結婚という感情を動機とする側面を無視してしまいます。
人口減少する国が栄えたことはないそうです。いい事ばかりではなく、いろいろありますけど拙者は結婚も子育ても、自分の人生にとってなくてはならないと言えます。結婚したいと思える相手に出会えて(友達が紹介してくれました。ありがとう)、チビ子が生まれて元気です。
人口動態を、経済的指標だけでない分析で研究してみたいな。地域創生やまちおこし、過疎地域の少子高齢化に歯止めをかけたり、田舎生活を楽しめる都会の人々を増やせるといいな、と思うのでありました。
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