[No.4124]
#67「ノルウェイの森(下)」村上 春樹
かなり村上作品に引き込まれています、実際。グイグイ読んでしまいますし、一度に2行くらい視野に入って読み続けている感じです。細かな描写をさらっと流しながら。
以前おかぁんと会話した事を思い出しました。人生で起こった事を全部憶えていたら、いろいろ気になり過ぎて生きていけない。忘れた方がいい事はいい感じで忘れて、憶えておいた方がいい事は、いい思い出として思い出せるのではないか、というのがおかぁんの仮説でした。じゃあ何で俺は試験勉強で憶えられないのか、と聞いたら、あまり記憶力が良くないか、あまり大事だと思っていないか、と若干の嫌味な回答があったように憶えています。
主人公のワタナベ、高校時代の親友を急に亡くし、大学生となった親友の恋人であった直子と過ごすうち、直子の心身も弱ってしまい、療養先で出会ったレイコとの交流でいろんな自分や周囲に気付き、いろんな周囲の人々の今と過去の繋がりに翻弄されたように感じます。
昔の恋人や友人の全ての思い出は大事ですが、全部を常に引き摺って生きていく事は出来ないし、してはいけないんじゃないか、と思いました。
亡くなった人への最良の供養は、忘れない事とは聞きます。亡くなった人が我々に望むのは、豊かな日々を過ごす事だと信じる拙者は、おかぁんと話したように、適度に忘れてしまうには、必要な事だ、が読後の感想の一つです。
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