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2010-05-17

読んだ本(2010-#3):変わる家族 変わる食卓 - 真実に破壊されるマーケティング常識

[No.1226]

#3「変わる家族 変わる食卓 - 真実に破壊されるマーケティング常識」岩村 暢子

統計調査やアンケートに関わったことがある者として、また子育て、家庭生活、躾、というキーワードが最近の関心事であることもあり、この本はとても読みたかったんです。

・広告会社であるアサツーディーケイの研究者が書いたセンセーショナルな内容
・現代の主婦は、怠け者で手抜きが多い
・働く女性の増加は、伝統的な家庭生活の崩壊につながる
・夫も妻も子どもとの摩擦をおそれて躾は学校まかせだ

というようなお思いを抱いままでこの本を読み終わるのであれば、この本の価値をわずかしか享受できないと思います。
こんないい加減な子育てしてるんだ、最近の主婦はダラダラだなぁ~、と拙者も正直なところ思いましたが、本質や問題はそれにあるのではないことに気がつきました。

現代人のホンネとタテマエ、アンケート回答と現実の乖離、手間で面倒なことは「出来ない」「やらない」、また「出来ない」「やらない」ことを合理的に説明することで自分を守ろうとする(ズル)賢さ・・・
かなり現代社会の深層をえぐる秀逸な視点を盛り込んでいる労作だと思います。

これはマーケティング分野のビジネスマンがビジネス書籍として読むよりは、これから子育てしたり、家族とどう関わっていこうかと思いを馳せるみなさんが読むと、いいのかなぁ~と思います。

養老孟司氏のあとがきも秀逸。
食卓は母の手作りメニューかデパートの惣菜か、
お弁当のおかずは昨日の晩ご飯のおかずか冷凍食品か、
どちらがよくて、どちらがダメという問題ではありません。

拙者は、食卓で家族と今日は~があった、今度○○○しよう、△△△って何?というような会話をしながら食事を楽しんで、親が子を思いやり、子どもはいろんな人々と関わりあいながら、様々な興味関心を抱いて、自分の将来に希望を持って毎日を楽しめるように育てたい、ただそれだけです。

母にも薦めて読んでもらったのですが、感想は、

「読んでいて腹が立ってきた」 でした。

母を少し誇らしく思いました。

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