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2025-02-07

読んだ本(2025-#15):ザイム真理教

 [No.3642]

#15「ザイム真理教」 森永 卓郎

テレビや雑誌の経済コメンテーターとして、著名な方はいろいろいらっしゃいますが、旧大蔵省や財務省出身のコメンテーターや経済評論家とは、一線を画すな、とは感じていました。

緊縮財政を唱える根拠として、国債や一時的な資金を調達するための借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」が、国民一人あたりに1,000万円、と表現されることに、違和感を感じていました。借金なので、返済を迫られて返済できないと大変なことになりますが、誰に返済するかと言えば、国債による借金であれば、国民や機関投資家ということになります。

元本を返済するのではなく、いったん利子分だけを支払うことになるし、今返済しなければならない借金が国民一人当たり1,000万円ある、とするのは実態を雑に表現しすぎです。

借主は日本政府とか日本銀行、貸主は国債の保有者(国民や機関投資家)、日本が国家として存在する限りにおいて、借主と貸主でもめることはなく、銀行口座解約のような騒ぎも起きないと思います。返済を急がなければならない借金ではなく、利子分だけの継続的な返済を約束した投資です。

税金や予算の配分を、実質的に法的な権利を持っているわけではない一部の財務省官僚の主観的なコントロールがされていそうな実態を垣間見ました。

消費税を上げることが、景気低迷や後退に影響してきた経緯も見えてきました。著者が、闘病しながらも熱くメッセージを出し続けてきた背景や意図に思いを馳せると、財務省のコメント、国会での予算審議、テレビやメディアの論調は、そう操りたいと思っている勢力のメッセージなのか、合理的な客観的な見解なのか、よく考えて受けとめて自分で考えなければならない、と思いました。

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