#58「会社がなくなる!」丹羽 宇一郎
学生時代に経済学を勉強していましたが、学部時代は経済学の勉強が不足していました。特に経済学部の学生がよく知る、価格や賃金の理論、得に近代経済学としての視座に立った理論や趨勢が優位でしたけど、マルクス経済学的な知識や理解も得た上ではありませんでしたので。
理論的な不足を補うほぼ唯一の方法としたのは、自分で純粋に考えてみて、素直な疑問を専門的な人にぶつけてみる、という方法でした。
- 株式会社は、株主のために利益を出す、が一番重要ではない
- 結局職種に関係なく、儲かっている会社の賃金が高い
こんなことを言うと、株式会社の法的な義務や手続きがわかっていないって一蹴されたり、賃金決定の歴史的な議論や理論がわかっていない、みたいにコメントを返されたりました。
実際に社会人として働いてみて、自分で考えて感じたことは間違っていない、と思いましたが、著者の断定的な想いと共通していて自信が持てました。
当事は株主資本主義というキーワードで語られましたが、私は今まで株主のために働いていている、働きたいと思ったことは一度もないです。
同じ職種でも、転職すると賃金はあっけなく変わります。その職種のニーズや評価は、各社で異なりますし、実際の給与水準は、会社のこれまでの賃金闘争の歴史に依存します。
また拙者が感じてきた他のことで、周囲の同意を得られなかった事にこんなのもありました。
- 中央銀行が貨幣供給量を管理しても、銀行やローン会社が勝手に利子をつけて貸し出したら、中央銀行の管理を超えて、事実上マネーサプライを増やしてしまう
- 社外取締役なんて、企業の経営にプラスにはならない
仮想通貨の実態や、取締役も他事業部の事について口出しも出来ないのに、社外の取締役が口出しするのは至難の技だと思いますから、間違ってなかったと確信します。
従来の慣行や「常識」と呼ばれることに呪縛されずに、柔軟に発想し、周囲の状況を見ながら自分でどう生きるか、どう高めるか、どのような他者や社会に寄与するか、と応援してくれている気分になりました。
本のタイトルは刺激的ですが、所属する企業に依存する、頼る、はもう期待しない方が良さそうです。
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