[No.3042]
#38「イノベーション・オブ・ライフ」
クレイトン・クリステンセン、ジェームスアルワース+カレン・ディロン
イノベーションのジレンマを読んで以来、今更ながらにクリステンセン教授の言葉に、惹きつけられています。
ハーバード大学のビジネススクールの卒業を控えた最後の授業で、最高の人生を生き抜く、という講義をされっていたようで、そのエッセンスをまとめてくれています。
高学歴で、ビジネスや政治で活躍するハーバード大学の卒業生が、予想以上に幸福な人生を過ごしていない、という事を感じたクリステンセン教授が、仕事の選び方、人生のライフステージにおける役割の変化、我が事のためにエネルギーを注ぐことと、家族や他者の為に奮闘する場面やタイミングなどについても、示唆に富むお話が多いです。
誘引要因(インセンティブ)と動機づけ要因(モチベーション)の違いや組み合わせの考え方は、実際の会社組織におけるメンバーのマネジメントや、チームパフォーマンスとタスク設定などに、とても納得感のあるお話でした。
輝かしいキャリアをお持ちのクリステンセン教授が、この時になっても、学生時代からの夢であるハーバードビジネスレビューの編集者になりたい、と思っていたとは知りませんでした。意図的戦略だけでなく、創発的戦略を柔軟に取り込むことで、インセンティブだけでなく、モチベーションを自分で見失わないようにすることで、自分にとって有意義なビジネスキャリアに近づけるような、元気も出てくる気持ちになれます。
家族のために、子供のために仕事に頑張った結果として、家族のつながりが少なくなったりする矛盾のような実態、あるあるかもしれません。
子どもにいろんな経験をさせてあげたいから、いろんなキャンプやイベントに参加させることがいいばかりではない、未来をアウトソーシングしてはいけない、という内容が、とても印象深かったです。
子どもが困ればすぐに助けてあげたり、教えてくれるサービスに頼るのではなく、自分で考えて、困って、いろいろ踏ん張って解決に近づく経験こそが、子供にとって未来のパワーになるはず、ということ。未来にパワーとなるべきことを、アウトソースしていること、現代には散見されるような気がします。
小学1,2年の時の担任の先生、O先生の言葉を思い出します。子供が抱っこをせがんだり、遊ぼうというなら、とことん抱っこして、思いっきり一緒に遊んであげなさい、と。そんなことで甘えん坊になったり、勉強嫌いになったりはしませんよ、と。仕事もあるし大変だろうけど、子供には存分に向かい合えばいいし、いろんな苦労は子供の成長で、必ず報われます、と仰っていただきました。
O先生と、クリステンセン教授の書いていることは、とても共通するように思いました。
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