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2022-07-19

読んだ本(2022-#41):君が夏を走らせる

[No.3051]

#41「君が夏を走らせる」瀬尾 まいこ

チビ子のおススメで一気読みでした。「あと少し、もう少し」の登場人物の一人、金髪だったワルの大田が主人公の、駅伝大会その後、のスピンオフとも呼べる作品です。

若くして父親となった先輩から、頼まれました。

次の子供を出産前に奥さんが入院することになったから、1歳ちょっとの女の子を、俺が仕事する昼の間、子守りをして欲しいのだが、1ヶ月ほど。バイト代はずむから、と。

中学の駅伝大会で周囲からはワルと見られていた大田君も、母子家庭の母に無理をさせたくないけど、まじめばかりでもいられず、腕っぷしは強いし、金髪だし。

でもそんな彼の、「駅伝に向いている」のを見出したメンバーのおかげで、走る魅力と特性に気が付いたわけです。中学卒業後に高校に進学したものの、学校には魅力を感じられない中で、子守りを頼まれます。

小さいの女の子、まだ言葉もあまり話せず、オムツもしているし、離乳食も始まったばかりで、ママはしばらく入院と、子守りとしてはハードルが高めます。

拙者の体験を思い出します。12歳の時に従妹から生まれた男の子、拙者の実家の近所だったこともあり、オムツをしたころからよく相手していました。一緒に遊んだり、昼寝させたり、夕ご飯を我が家で食べさせたり、お風呂に入るっていうから着替えを取りに行ったり、眠ったからおんぶして連れて帰ったり。

そのうち幼稚園に通うようになって、会話も楽しくなって。彼の中学や高校時代は拙者も実家を離れて進学し、就職したから会わなくなって。彼も進学で実家を離れると、ますます会えなくなりましたが、彼は就職で実家に戻り、今では父親になって、女の子のお父さんです。拙者の両親に、丑の日には鰻をプレゼントしてくれたり、スマホの利用サポートもしてくれる、頼りになる存在です。

そんな12歳年下の従姉の子、弟みたいな存在ですが、彼が2歳から5歳くらいまでは、ほぼ毎日のように一緒に遊んでいた頃のことを思い出しました。遊んで楽しそうな表情を見るのは嬉しいですし、バイバイをさみしそうにするのもかわいかったです。

大田君は、喜んでもらえるように料理もするようになったり、積み木もプレゼントしたり、肩車して走って喜ばしたりと奮闘。自分の価値や特性にも気付いたようで、自棄にならずに自分を冷静に見つめています。高校生としては成熟した精神に感じます。

大田君のその後、また読んでみたいです。なんとなく昔の自分を投影しています。ちなみに、拙者、高校時代は金髪でもワルでもなかったですけど、将来の自分が本当に描けなくて、なんとなく将来に明るい気持ちになれずにいましたので、大田君と何か同じものを感じます。

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