[No.3458]
#43「夜行」森見 登美彦
チビ子には以前言われていました、同じ作家の作品を続けざまには読まない方がいい、と。
森見登美彦さんはお気に入りの作家さんの一人です。今までもいくつか作品を読んできました。
京都に住んだことがある、京都にはあまり滞在したことがない、の差で、森見作品の受け止め方や、気持ちの入り込み具合が異なると思います。
拙者は前者ですが、京都の街中の夕暮れの影、町屋の入り組んだ路地には、何かが起こりそうな、何かがいそうな感じするんです。
少し蒸し暑い夏に夕暮れ、ヒグラシの鳴き声が聞こえる仏光寺とか、いい気分で酔いながら2軒目に向かう時の高瀬川から少し入った町屋の路地とか、喜怒哀楽の全てが絶妙なバランスである、そんな印象を持った記憶があります。
平安の時代からのいろんな歴史や出来事、たくさんの寺社仏閣があるからですかね。
学生時代の仲間と鞍馬に出かけた10年前に、突如姿を消した女性。そのことの記憶を持つ大学時代からの仲間、それぞれの生活に、なんとなくつながりを持つ出来事が起こり。。。
あまり書くとネタバレなので書きませんが、話の進行、登場人物達の遭遇する出来事の時間的な前後関係が拙者には把握しづらく、読むのが少し難しいと感じました。
今日この日の今を生きている我々は、実は別々の時間空間に生きていて、偶然知り合ったり会話したりしていて、時間空間が合わないと会う事もない。時間空間が合うということは、同じ時間を過ごしてきたという訳でもない、と感じてきて、少し頭がクルクルしてきました。
そもそも時間とは何か、が拙者が分かっていないことにも気が付きました。時間って、何だろう??
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