[No.3532]
「どう生きるか つらかった時の話をしよう」野口 聡一
宇宙飛行士の野口さん、宇宙から帰還後に生きるのがつらい、と感じた10年があったとは知りませんでした。メディアで見かける時は、明るい表情の印象が強いですし、宇宙飛行士という難しいミッションをやり遂げた実績、経験や能力も相当だろうと思っていました。
宇宙飛行士としてのミッションをやり遂げた後の、燃え尽き症候群もあった、と仰っています。後に続いた宇宙飛行士によって、滞在期間やミッションの難易度を超えられたことで、自分の存在意義が薄らいでいると感じた、などは、かなり赤裸々に正直な気持ちが書かれているな、と思いながら読みました。
宇宙飛行するよりも、後悔することなく生きることの方が難しいし、意義があると達観されているのだと感じました。幸福や達成感をどうやって感じるか、それは家族や兄弟であろうとも、本当に一人ひとりで異なるのだと思います。
東京大学卒業、石川島播磨重工業(IHI)に入社後、宇宙飛行士になったという経歴だけを見れば、勉強や仕事で悩んだことや、挫折したことなんであまりない優れた人、だと勝手に思い込んでしまっていました。
以下のような言葉に、深く共感しますし、こうやって共有してくれたことをありがたく思い、感謝します。
「他者の価値観や評価を軸に、『自分はどういう人間なのか』というアイデンティティを築いたり、他者と自分を比べて一喜一憂したり、他者から与えられた目標ばかりを追いかけたりしているうちは、人は本当の意味で幸せにはなれない」
「自分らしい、充足した人生を送るためには、自分としっかり向き合い、自分一人でアイデンティティを築き、どう生きるかの方向性や目標、果たすべきミッションを自分で決めなければならない」
「自分がどう生きれば幸せでいられるか、その答えは自分の中にあり、自分の足の向くほうへ歩いていけばいい」
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