[No.3411]
#21「ストレス脳」 アンデシュ・ハンセン
スマホ脳、運動脳に続き、アンデシュ・ハンセン氏の著作を読みました。経済学部を卒業したものの、カロリンスカ大学の医学部に進み、やはり医学を志した、というご自身の経緯も初めて知りました。
読み心地がいいのは、誠実でわかりやすく、穏やかな口調のように書かれているからかと思います。
我々現代人は、生物学的には原始人と同じ、という前提が納得感あります。脳がストレスや危機や不安を感じるのは、生物として生存するためには必要な脳の作用であること、類人猿が集団生活を営むことから社交欲求があり、孤独が精神衛生上不安やストレスを煽ること、狩猟や農耕が生き残る必須の行動であったにも関わらず、現代の人間が活動量や歩数が少なく、不安やストレスを感じやすくなっていること、などを読むと、不安やストレスを感じるのは、その人の性格もあるけど、まずは脳の想定内の作用であるという見解は、いろんな悩みを感じている方に朗報だと思います。
不安やストレスを感じないようにしなければと焦るのではなく、不安やストレスを感じるのは人間だから当たり前、と思うだけで、不安やストレスは軽減できる気もします。
テクノロジーや医学の発達はあるものの、我々人間は基本的に、生物学的には原始人です。生まれた者の半分が思春期を迎える前に生存できなくなったり、平均寿命が50歳を超えるようなことはなく、感染症や敵(野生の動物や他部族)によって命を落とすことが多かったわけです。カロリーは見つけ次第に摂取しておかないと、次いつ食事や栄養を摂れるか分からないので、体は栄養分を蓄えようとするし、健康的に痩せようとする指令なんて、脳が出すわけないのです。
SNSを見て、誰かと比べて劣等感を感じたり、人とのつながりが希薄と感じる孤独などは、現代人の脳でも受け入れるばかりか、社交欲求が満たされず、孤独=生存の危機、と捉えるのであれば、脳が危機を感じるようなことはやめればいい、と思います。
拙者達が、原始人のような集団での狩猟や農耕生活をすることはできませんが、原始人のように集団で助け合う、また健康的に暮らせるヒントを著者は提示してくれています。
- 適度な運動は、確実に気持ちをポジティブにする作用がある
- 孤独は脳は危機と認識する。笑顔のあるコミュニケーションは脳にポジティブ
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