[No.3389]
#11「ワンダーランド急行」荻原 浩
コロナ禍で連載されていた小説のようです。電車に乗って、会社に行って、という日常が大きく変化したのはコロナウイルスがきっかけでした。
会社に始業時刻に遅れないように電車に乗って、疲れて会社について、周囲に目のある環境で仕事する。他人の目のない場所、ましてや在宅での仕事となると、社員がちゃんと働いているかをどうやってモニターするか、なんてことも真剣に議論されたり、ITツールの導入を検討していたことも思い出されます。
いつもと逆報告の電車に乗って降りると、自分がこれまで過ごしていた現実と、少し違うパラレルワールドに迷い込んだことに気が付きました。奥さんとの関係が変わっていたり、会社内でのポジションが違っていたり。元の世界に戻ろうとすると、また違う世界になっていたり。
タイムマシンやパラレルワールドが実在するとすると、いろんな思いがありますね。やり直したいこと、チャレンジしてみたかったことがゼロとは言いませんが、やはり後悔しないように、いろいろやってみる、なんだろうなと思いました。
今まで読んできた荻原浩作品の中では、登場人物にあまり感情移入できませんでした。好きな荻原浩作品の特徴は、何とも決断しきれないやるせない選択肢を前に、女々しくも、あれこれ考えて行動してみる潔さのある登場人物に感情移入してきた傾向があることに気が付きました。
ギブ・ミーア・チャンス、ハードボイルドエッグ、花の桜通り、なかよし小鳩組、誘拐ラプソディー、四度目の氷河期、愛しの座敷わらし(上)(下)、、、好きになった作品がいろいろあります。確かに、結構な作品数を読んできましたね。また読んでみてもいいですね、きっといい感じで忘れていて、面白さや感動を再生産できそうな気がします。
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