[No.3292]
#1「RABGE 知識の「幅」が最強の武器になる」デイビット・エプスタイン
2021年の最初からいい本に巡り会えました。拙者が周囲にはそんなに賛同を得られない、またはきちんと拙者が説明しきれない経験的な想いを、しっかりと代弁してくれている、そんな安心感、嬉しい気持ち、よっしゃと励まされた気持ちになりました。
チビ子の勉強、習い事とかも、一緒になって今後どうしようかねと考えているタイミングでもあり、子供の早期教育の方法、成果、将来的な効果も気になっていました。また拙者自身のキャリアを考えたり、これまでの経験からどんな方向に進もうかと考えていることもあり。
忙しい方には、中室牧子(慶應義塾大学総合政策学部教授)氏の解説文を先に読むことをオススメします。
博士号のことを、Ph.D. (Doctor of Philosophy)と呼ぶのか、哲学の博士?理系も文系もあるけど、とか感じていました。
博士とは、その専門分野における知識、経験や業績のみを称える、証するものではなく、あらゆる知識や経験に基づく専門能力や知識を指すものだと、後に知ることになりますけど。
早期教育による天才の育成、10,000時間の法則、効率的な教育効果、そんな教育方法が注目されてきた数年と思います。拙者も、読んだり聞いたりしましたが、少し納得できない違和感があったのです。この本では、冒頭にその疑問に答えてくれています。
10,000時間の法則で例示される、タイガー・ウッズ、チェスの世界チャンピオン、ピアノやチェロの演奏家というような早期教育のエリートに共通するのは、ある特定のルールや条件において、記憶や反復練習が勝利や演奏という成果に結びつく、という状況です。
かたやテニスのスーパースターであるロジャー・フェデラーは、早期教育のエリートではないです。テニスは、つまるところ相手の繰り出すショットを読んだり、と不特定の状況下において、判断し、行動するという要素が勝利という成果に結びつく、からだと。つまり早期教育で成果の出る取り組みと、早期教育では成果に結びつかない取り組みがあるということです。
専門性を高める=>解決能力が高まる、となればいいですが、ビジネスでは単一の専門性で解決できない課題も多いです。また専門性が低いジェネラリストは労働市場では優位になれない、という実情もあります。
I型ではなくT型で、時には自分の知識や経験から解放して、他の専門外の方の意見やアイデアを聞いてみる、が解決のヒントのように思います。
優れた人ほど人の意見を傾聴する、実るほど頭を垂れる稲穂かな、そんな姿勢で新しい課題に挑戦できるビジネスマンになりたいと思いを強くしました。
子供の進路や教育についても、もっと考えてみます。