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2026-01-19

読んだ本(2026-#6):楽園の真下

[No.4073]

#6「楽園の真下」荻原 浩

久しぶりの荻原浩作品の中のスリラー物です。南の離島で自殺者が相次いでいることを不審に思ったライターが、島に渡って気づいたのです、とてつもなく大きなカマキリが蠢いているのではないか、ということに。

カマキリに寄生するハリガネムシもストーリーに絡んできて、ジュラシックパークを超えるような怖い作品になっているような気がします。

今までも荻原浩作品をいろいろ読んできましたが、あまりないタイプの作品だと思いました。

2025-08-13

読んだ本(2025-#71):海馬の尻尾

[No. 3969]

#71「海馬の尻尾」荻原 浩

恐ろしさを感じなかったり、他人の喜怒哀楽を認識したり共感できない場合、肝っ玉が太いとか経験的な特性ではなく、脳内の原始的器官である海馬とか、海馬の尻尾と呼ばれる小器官の機能不全が原因かもしれない、と判断された主人公。3年の懲役を終えて出所した反社会的勢力の1名。

舞台は、2度目の原発事故の影響で、不安を抱える大勢がいる社会です。極秘裏に不安を煽ったり、抑制しようとする心理実験や治験が行われていることは、機関の一部の者しか知りません。

主人公は、暴力的で残虐さが恐怖を感じないこと、アルコール中毒の治療も兼ねて、組長の好意で検査と入院をすることになりました。過酷な幼少期や両親からの愛が不足した年月が原因ともなって、恐怖を感じない、他人の感情を考慮することもないと思われていました。

病院の待合室で、急に懐けれた小さな女の子。彼女も脳の特性や疾患に関する治療や入院をしている様子。シングルマザーのママ、女の子の付き添いに元気がない様子を、主人公が気にするようになります。女の子と絡むのが最初はうざかったのに、徐々に気になり始めて、女の子の元気のなさが、主人公の感情認識に変化をもたらします。

物語は一気に読んでしまいます。騙し騙され、本当に信頼できる仲間とは誰かのか?組長か? 組の後輩か? 入院部屋の同居人か? 診察して治療してくれる医師か?

守りたい存在ができれば、パワーも出るし、生き甲斐も出てくるのだと思えます。主人公のその後が気になります。どうか笑顔が多い日々を送ってくれているように願います。

2025-08-03

読んだ本(2025-#67+#68):砂の王国(上)+(下)

[No.3960]

#67+#68「砂の王国」(上)+(下)荻原 浩

証券会社のトレーダーだったけれども、いろいろあって奥さんに出て行かれて、ホームレスになった男性が主人公です。ホームレスの縄張り争いや、食事や防寒グッズを奪い合ったり、分け合ったりの中で、ホームレスになってしまったことへの絶望とちょっとした失敗や諦めの連鎖で、ホームレスになる可能性も感じました。


長身のイケメン、口数のすくないホームレスが、近所のコンビニやお惣菜の期限切れ前のお弁当などをよくもらえていました。辻占いで稼ぐ男は、占いのサクラを主人公に依頼し、鑑定のお客1人につき100円をもらうことになりました。占いのお客さんの身なりや言動から、悩みや背景を予想するテクニックと話術を見て、主人公は閃きます。イケメンを教祖にして、辻占いの男が教義や教祖のコメントを書き、主人公が新興宗教の設立や運営をすることを。

口数の少ないミステリアスなイケメン教祖に集まる女性信者、信者間でのお布施競争、信者を煽る教義など、アッという間に教団勢力が拡大し、教祖、辻占い、主人公の目指すものにギャップが出てきて・・・。


主人公が証券会社にで働いていた時に、いろいろ仕事のプレッシャーや不安もありながら奮闘していました。奥さんを責めることにできなかったことは話の中で分かるのですが、主人公がもっと奥さんに胸襟を開いて話していれば、主人公がホームレスになることはなかったんだろうと思うと、人生の岐路はちょっとした事情をきっかけに、大きく変わるんだろうな、という想いを強くしました。

2025-01-06

読んだ本(2025-#2):夏のカレー

[No.3609]

#2「夏のカレー」現代の短編小説ベストセレクション2024

三浦しをん、荻原浩、原田ひ香さんというお気に入り作家の他にも、すぐれた短編をまとめて読める、と手に取ってすぐにレジに並んで購入しました。

短編なので、シュールな気分、少し物悲しい結末になることも多くなるのかな、と印象を受けました。

短編では、背景や経緯を最小限に削ぎ落して書くのか、わずかな情報から想像を膨らませるのは、わびしさやさみしさの方が相性がいいのかもしれません。

表題にある「夏のカレー」、学生時代、社会人になってから家族が増えてきた今読むと、いろいろ思い出します。いろんな人と出会い、離れたり、それっきりだったり、再会したりするのですが、それも含めて御縁かと思いました。

大人になってからは、友達がなかなか増えるものではない、が実感です。仕事の仲間と友達は違いますし、仕事や利害関係のない付き合いも、テニススクールくらいです。稀に仕事で知り合った中にも、友達だと思える数人がいるのはラッキーです。

短編のハッピーエンド作品集、あれば読んでみたいです。

2024-02-19

読んだ本(2024-#11):ワンダーランド急行

[No.3982]

#11「ワンダーランド急行」荻原 浩

コロナ禍で連載されていた小説のようです。電車に乗って、会社に行って、という日常が大きく変化したのはコロナウイルスがきっかけでした。

会社に始業時刻に遅れないように電車に乗って、疲れて会社について、周囲に目のある環境で仕事する。他人の目のない場所、ましてや在宅での仕事となると、社員がちゃんと働いているかをどうやってモニターするか、なんてことも真剣に議論されたり、ITツールの導入を検討していたことも思い出されます。

いつもと逆報告の電車に乗って降りると、自分がこれまで過ごしていた現実と、少し違うパラレルワールドに迷い込んだことに気が付きました。奥さんとの関係が変わっていたり、会社内でのポジションが違っていたり。元の世界に戻ろうとすると、また違う世界になっていたり。

タイムマシンやパラレルワールドが実在するとすると、いろんな思いがありますね。やり直したいこと、チャレンジしてみたかったことがゼロとは言いませんが、やはり後悔しないように、いろいろやってみる、なんだろうなと思いました。



今まで読んできた荻原浩作品の中では、登場人物にあまり感情移入できませんでした。好きな荻原浩作品の特徴は、何とも決断しきれないやるせない選択肢を前に、女々しくも、あれこれ考えて行動してみる潔さのある登場人物に感情移入してきた傾向があることに気が付きました。

ギブ・ミーア・チャンスハードボイルドエッグ花の桜通りなかよし小鳩組誘拐ラプソディー四度目の氷河期愛しの座敷わらし(上)(下)、、、好きになった作品がいろいろあります。確かに、結構な作品数を読んできましたね。また読んでみてもいいですね、きっといい感じで忘れていて、面白さや感動を再生産できそうな気がします。

2024-01-28

読んだ本(2024-#4):逢魔が時に会いましょう

[No.3967]

#4「逢魔が時に会いましょう」荻原 浩

ついつい一気読みしてしまう荻原浩作品ですが、今回も一気読みでした。「愛しの座敷わらし」の続きの話を読めるような気持ちになって、嬉しい本です。

座敷わらし、河童、天狗の民俗学の研究者と学生のフィールドワークですが、地域の伝承と民俗学と科学的研究のギャップそのものが拙者も興味が湧き立つのを感じるところです。

座敷わらしとは、夭折した子供だと言われたり、河童はカワウソの見間違いと言われたり、事実は何なのか決定的な結論には今も至っていない、と思える方がいろんな洞察自体を楽しめる気がします。

逢魔が時、とは、夕暮れや黄昏時、あの世とこの世が交錯するとも言われる時間。いろんな存在が行き交う、いろんな存在のことを気に掛ける方が、いろいろ面白いとも思うのです。

それにしても、荻原浩作品、拙者はどんどん読みたくなります。まだまだ読んでいない作品はありますし、これからもいろんな作品が楽しめると思うと、読書を楽しいと感じられることを喜びたいと思います。

2023-11-05

読んだ本(2023-#51):幸せになる百通りの方法

[No.3923]

#51「幸せになる百通りの方法」荻原 浩

人間はみんな平等、と表現することはもちろん可能ですが、現実社会や生活では、家庭環境や政治や経済の流れによっても困難が発生しますし、決して平等な環境でもないし、公平なコンディションでもありません。

拙者も年齢を重ねると、嬉しいこと、悲しいこと、ラッキーなこと、ついていない事、いろいろありました。気分がなかなか盛り上がらない、体調もよくないという時もありましたが、経験的に、睡眠が最も心と体の健康に大事な気がします。次に食事です。少しでもいいから、バランスよく食べること、そして、出来たら体を動かすことです。

こんな拙者も、テニスにも行きたくなくなった時もあるんです。寝る前にストレッチして、体を伸ばして、睡眠時間を少なくても6時間確保していれば、何とか元気も出てきます。

体調がよくないと、仕事もいろんな事も頑張れない、が実感です。


この本の登場人物、本人の事情だったり、後悔のある過去の決断が理由だったり、いろんな困難を抱えながらの毎日です。大岡越前、水戸黄門や暴れん坊将軍が来てくれて、アッという間に解決できることは、現実にはありません。

荻原浩作品、とても好きなのでいろいろ読んできましたが、拙者が好きな理由が自分で分かりました。残念な状況にある中でも、気持ちだけは前を向いて、顔をあげていると、そのうち元気も出てくるし、味方も見つかるし増えるし、絶望をしないでいると何とかなる、という気持ちにさせてくれるからだと。

いろんな幸せがあります。誰かに評価されるものではなく、あくまでも自分で自分が幸せだと、安寧や豊かさを感じられる方法があるはず、と思えるのです。

拙者もまだまだ頑張れます。夢もあるし、希望もあるし、やりたいこともたくさんあります。自分のために、家族のために、友人や知人のために、誰かの力になれる人間にもなりたいです。

2023-10-21

読んだ本(2023-#49):冷蔵庫を抱きしめて

[No.3920]

#49「冷蔵庫を抱きしめて」荻原 浩

「現代を生きる人々が抱える心の闇に焦点をあて、そこから主人公たちが自分の足で陽のあたる場所へと新たな一歩を踏み出すまでを描いた短編集」、とは、この作品の読後の解説で藤田香織氏が書かれた文章です。

この読後の解説に、猛烈に同意です。8つの短編はいずれも何かの困難性を抱えた主人公です。明るく楽しく元気、というよりも、いろんな不合理や不条理に囲まれながら、ちょっとだけ勇気を持って行動してみた、という拙者も等身大に感じる登場人物です。

拙者自身も、会社の同僚に知られている面もあれば、知られていない面もあるはずです。拙者が知らない同僚の特性や、奮闘している事情もあるのだと思います。みんながそれぞれに抱えている苦労、悲しみや辛さも、こうやって荻原浩作品になれば、読後に少し爽やかな気持ち、明るい前向きな気持ちなれるから、やっぱり荻原浩作品は素晴らしいのだと思います。そりゃそうです、直木賞作家です、拙者が言うまでもありません。

2023-09-26

読んだ本(2023-#46):海の見える理髪店

[No.3908]

#46「海の見える理髪店」荻原 浩

拙者にとって、荻原浩はお気に入り作家の一人でして、これまでも、拙者にしては多読している作家さんの一人です。

久しぶりに、チビ子におススメの本はないかと聞いたところ、チビ子の蔵書から持ってきてくれたのがこの本でした。いつ買ったん? と聞いたら、この本いいって思ったから買った、ですって。

拙者も齢を重ねたからでしょうか、人との出会い、別れ、遠のいた関係性や時間、そして再会、といろんな経験があります。そんな切なさや、感動、喜びなどを荻原浩作品に感じることがあり、ホッコリした気持ちになれるのが、好きな理由の一つだと思います。

本作も一気読みでした。チビ子がいうように、一遍目が最も印象に残ります。

読み始めたけど、どうしても読み進めない一編がありました。作家さんにも申し訳ないけど、拙者はあの一編を読まない、読めないと思います。悲しくなりすぎる、必要以上に落ち込んでしまうのがわかるので、すいません。

2023-05-22

読んだ本(2023-#26):さよなら、そしてこんにちは

[No.3834]
#26「さよなら、そしてこんにちは」荻原 浩

短編集ということもあるでしょうが、拙者が作者の言葉遣いや情景描写が好きなこともあり、一気読みでした。
それぞれの短編の登場人物になりきって、読みました。

いろんな人との出会いがあり、別れがあり、嬉しい場合、悲しい場合、寂しい場合、怒れる場合といろいろですが、自分がいろんな経験を踏まえてきたことと、いろいろシンクロして、わりと想像以上に感情移入して読んでいました。

これまで何人の人と出会い、これから何人の人と出会うのだろうか、と思います。小学校時代の友達や先生、中学校、高校の友達や部活のメンバー、大学の友達やコンパで知り合った面々、大学院の友人やお世話になった教授、バイト先、これまで働いた会社の上司や同僚、取引先、テニススクールで一緒のクラスだった方々、嗚呼本当に大勢の方と出会っていますね。

刹那的だったとしても、やはりいろんな意味のある出会い、何かを気づく出会いであったと思います。今はまったく連絡もとってないし、動向もわからず、知る術もない人も多いです。今の大事な友人や知人を大事にして、ますますいろんな素晴らしい人達に出会いたいです。
そのためには、拙者自身が魅力あったり、誰かの何かに役立てる人間でなくてはなりませんし、心も体も元気でないといけないな、が読後の感想。

2022-08-19

読んだ本(2022-#49): それでも空は青い

[No.3670]

#49「それでも空は青い」荻原 浩

拙者のお気に入り作家のお一人でもある荻原浩氏、本屋さんで見つけてしまった新作を手に取ったら、そりゃ購入して読むしかありません。

人の怠け心や甘えたい気持ちと、それでも少しだけ勇気を出したり、誰かを助けようとする機微なバランスを、心くすぐられるように書かれているような印象です。

家族、友人、夫婦、先輩や後輩、同僚、部下や上司、いろんな人間関係があります。いつでも良好である訳でもないし、分かり合えないこともあれば、言わなくても通じることもあります。

先日、学生時代から続く2名の友人と、深夜残業に該当する時間に2時間半ほど、ZOOMで顔を見ながら話しました。お互いの仕事のキャリアはいろいろ異なりますけど、異なるが故に自分で思いつかない視点や切り口も知ることができて有意義ですし、楽しい時間です。

人生の豊かさに思いを馳せることも多いのですが、何をどれくらい所有するかも大事ですが、素晴らしい友人がいること、は間違いなく豊かさと思います。

相談したくなる先輩、頼りにしてくれる後輩、よっしゃ頑張ろうと思わせてくれる家族がいてくれるのは、嬉しいです。

2022-01-29

読んだ本(2022-#7): 金魚姫

[No.3534]

#7「金魚姫」荻原 浩

久しぶりの荻原浩作品であるし、464ページあるので買ってはみたものの、読まずに置いといたのです、読み始めると止まらなくなることが予想できていましたので。

ついつい1日のいろいろを終えて、お風呂からあがって、自分の椅子に座った23:00から読み始めてしまいました。ちょっと片付けとか、歯磨きとかで中断しながらも1:30AMくらいまで読んでしまい、慌てて寝ました。翌日と翌々日の隙間時間を、この本の読書にあて、一気読みです。

 

三国志の時代の中国の美女が、恨みを残しながら金魚に生まれ変わり、人間と金魚と生きる長い歴史を経過して現代。ブラック企業の営業マン、デキない社畜の男が、祭りの夜店で金魚すくいしてから、数奇な金魚でありながら時々人間になる女性との数奇な同居の一夏の物語。

歴史SF物という印象を最初に感じてしまったのですが、違和感なく金魚↔️女性に変わる存在との同居生活も感じられて、つまり一気に感情移入して読みました。

もし、生まれ変わりや連鎖、輪廻転生と呼ばれるような現象があるなら、と思いを馳せながら、感情移入はさらに強まります。

この本をハッピーエンドとするか、悲しい終わりとするか、両方の意見や思いがあるように感じます。 拙者が感じたのは、主人公たちが納得できるいい終わり方、と思いました。

映像化したらどんな感じだろうと思いまして調べたら、NHK BS プレミアムドラマで放送されたことがあるとわかりました。 主人公の一人、金魚姫には瀧本美織さんです。雰囲気が合うなあ、と思いました。見たいような、本で感じたままにしておきたいような、両方の気持ちであります。

2020-02-16

読んだ本(2020-#2):ストロベリーライフ

[No.3142]

#2「ストロベリーライフ」荻原 浩

何故なのかはわかりませんが、荻原浩作品の登場人物には
どうしても感情移入してしまうのです。
スペシャルな能力や技能やメンタルを持つと言うよりも
日常の事情にまみれながらも、何とかしようと頑張っていて、
でもそんな悲壮な感じもしない、のが拙者の好きなとこかも知れませんけど。

実家のイチゴ農家が廃業の危機。
お父さんが体調悪くなり、
年老いた母がイチゴ農家を一人で切り盛りできるはずはなく、
東京でフリーランスの広告プランナーの主人公が
父の見舞いに帰省するところから始まります。

イチゴ農家の仕事なんか継ぐつもりもない主人公が、
ビニールハウスの中のイチゴの生育を見てから、放っておけなくなります。
妻と息子も、東京での生活がいいって言っているにも関わらず。

人生設計には、周到な準備や綿密な確認や段取りも重要です。
収入や支出の計算、将来に渡る絵姿をどう実現するか、を考えるんだと思います。

しかし、対極の考えになりますが、人生なんて思った通りにはなりません。
想定もずれるかもしれないし、自分自身の意向も変わるかもしれません。

その時々、一瞬一瞬を真剣に、楽しんで生きる事が大事かな、
が今現在の拙者の結論的な想いです。

2019-05-03

読んだ本(2019-#9):ギブ・ミー・ア・チャンス

[No.3040]

#9「ギブ・ミー・ア・チャンス」荻原 浩

久しぶりの荻原作品を楽しみにしておりましたが、
一気に読み終えてしまった短編集です。
著作の情景や登場人物の感情に
移入しやすいからか、なぜでしょう。

何かに恵まれているのではなく、
寧ろ、何か少し残念だったり、足りない感じは、
拙者が日常感じる気持ちに似ているように思います。
仕事だったり、家族だったり、いくら頑張っても
すぐにいい結果が出たり報われるというよりも、
なかなか達成されないことが多いようにも思います。

それでも気分を持ち直したり、しんどい時には休憩したり、
という思いを後押ししてくれる、そんな読後感です。

視点を変えれば、我々にはチャンスが溢れているとも言えます。
諦めずにコツコツ頑張って、疲れたら休憩して、
元気でそうならまた頑張る、でいこうと思います。

2017-05-18

読んだ本(2017-#8):恋愛仮免中

[No.2808]

#8「恋愛仮免中」奥田英朗、荻原浩、原田マハ、窪美澄、中江有里

奥田英朗、荻原浩というお気に入りの作家が含まれている短編集です。
作家を批評できるほどの読書量や見識はもちろん持ち合わせておりませんので、
単なる好き嫌いなレベルのコメントですが、
やはり奥田英朗、荻原浩両氏の作品は好きです。
選ばれた言葉、脈略、登場人物の気持ちに想いを馳せると、
なんだかこちらまで気持ちがホッコリするようです。

萩原浩さんに感じる特徴として、
過去と現在を軽快に自由自在に行き来し、
でも読んでいる拙者が混乱しない読みやすさ。

2016-07-14

読んだ本(2016−#12):花のさくら通り

[No.2669]

#12「花のさくら通り」 荻原 浩

小さな広告会社ユニバーサル広告社シリーズ、
「オロロ畑でつかまえて」、「なかよし小鳩組」 に続く第三弾。

amazonのレビューコメントを見ると、荻原ファン、ユニバーサル広告社シリーズファンの
気持ちが伝わってきます。

大手広告代理店(電通とか博報堂ですな)をスピンアウトして、
小さな広告社で奮闘する主人公。
離婚して離れて暮らす娘への思いを密かに糧として、
トラブルをビジネスにて、ホッコリ解決していく、謂わばヒューマンドラマ。

原作・矢島正雄、作画・弘兼憲史「人間交差点 -HUMAN SCRAMBLE-」と
同じように大好きな作品です。

高齢化で寂れていく商店街、
それでも変えようとしない古参の寄り合いの面々、
何とか変えたい、盛り返したいと悶々とする面々、

商店街祭りのポスターの日付だけ変更の製作依頼を受けたユニバーサル広告社。
会社の家賃を払えずに、都心から離れたビル3階に転居。 
来る仕事を拒まず、でも一筋縄ではいかない社員達。
大手広告代理店をスピンアウトしたことの後悔を引きずりながら、
離婚後に離れて暮らす娘に会うのもやめて、ドタバタな日常。

荻原浩作品の主人公には、いつも感情移入してしまいます。
自分と同じ境遇、という訳ではないのですが、
思い悩むポイントが、拙者を揺さぶる、共鳴するそんな感じでしょうか。

登場人物のそれぞれの出来事が同時進行で進み、
そのうち登場人物が有機的につながって、何かを成し遂げる、
そんな進め方、拙者の仕事でも実現してみたい、と思いました。

荻原浩作品、まだまだ読みたいです。

2013-03-24

観た映画(2013-#9):探偵はBARにいる

[No.1953]

#9「探偵はBARにいる」

大泉洋主演の探偵映画、というだけで観たくなりました。
探偵のハードボイルドっぷり、荻原浩「ハードボイルドエッグ」と
「サニーサイドエッグ」を読んでから興味を持っておりまして。

行きつけのBARにかかってきた依頼も、依頼主には会えず。
きちんと依頼料は振り込まれるものの、誰が何の為に依頼しているのか
観ていてもさっぱり分からず。

急に強面のお兄さんに囲まれて雪に埋められたり、追いかけられたり。
相棒の松田龍平も役にはまっています。
二人ともケンカが強いし、いざという時に頼りになる。

ハードボイルド、人情、切なさ、謎解き、スリル、愛情などの
いろんな要素がいい感じの映画です。
ポスターを観た時に面白そうだと思ったのは、いい勘でした。


2013-01-29

読んだ本(2013-#5):四度目の氷河期

[No.1917]

#5「四度目の氷河期」荻原浩

父を知らずに17歳までを過ごした少年ワタル。、
母はシベリアで遺伝子研究所の研究員であり、少年を出産後に帰国。
少年自身は、他の子供よりも屈強で大きく、外見も日本人っぽくない。
母の研究と経緯から察するに、ワタルは
どうやらシベリアで発見されたミイラのクロマニヨン人「アイスマン」の遺伝子と
母親の遺伝子との受精実験で生まれたクロマニヨン人の子供だ、と気が付きました。


幼少期は、母親は何を研究しているか分からない遺伝子の研究者だし、
父親のことも分からない母子家庭で外見も日本人ぽくないし、
周囲の住民とも仲がいいわけでなく、友達にいなくて。

そんなサバイバルな生活のワタルの前に現れた少女サチ。
サチも、父親の酒乱+DVに悲しむ女の子。

サチとは中学校時代に少し疎遠になるけど、心のどこかで二人がつながっていて、
ワタルのピンチにはやさしく、サチのピンチをワタルが助けて、
なんとも微笑ましい二人です。

ワタルの心の葛藤、小説とはいえ、親である立場で読むと切なく、また心強く感じます。
親が子供の為にして上げられることはそんなに多くなく、
しかし親が子供を傷つけてしまう可能性はきわめて大きく、
そんなことを感じました。

ワタルにはサチ、サチにはワタルが傍にいて、本当によかった、よかった。
いろんなことに悩む学生が、この本を読んで、ワタルやサチに出会えたら、
前向きな気持ちになれる、そうなるといいなぁ、と思います。

荻原浩作品、また好きな作品が増えました。

2013-01-22

観た映画(2013-#3):誘拐ラプソディ

[No.1912]

#3「誘拐ラプソディ」

荻原浩の原作が映画化されました。
以前読んでいましてお気に入りのストーリーなのであります。
主人公が高橋克典、配役もぴったりな感じです。
wikipediaによると、榊英雄監督に直談判をしたそうです。

前科を持つ主人公が、お世話になっていた工務店を飛び出して、
家出したいと塾をサボった小学生と出会う。
小学生には家出を手伝ってあげると言うが、実は誘拐を企み実行。

しかしその小学生の父親は、暴力団篠宮組の組長で・・・
暴力団に追われ逃げ回るのですが。

子役の演技、涙がポロっとなりそうです。

主人公が結局何を手に入れたのかを考えると、
少しほんのりと温かい気分になれた気がします、
そして、やっぱり家族を大事にしようと思うのでした。

何か見終えた時に印象が、似ている本があったように思ったので
考えてみたら、「愛しの座敷わらし」でした。
これも荻原浩作品です。映画化されましたので、また観てみようと思います。

2012-05-25

読んだ本(2010-#9):オイアウエ漂流記

[No.1721]

#9「オイアウエ漂流記」荻原浩

リゾート開発のスポンサー御曹司、もてなしの開発請負会社のサラリーマン達、
新婚夫婦、痴呆気味のおじいちゃんと旅行中の小学生孫、正体不明の外国人の10人が
南のリゾート島に移動中の飛行機が緊急着水して、無人島でサバイバル生活を開始・・・。

読んでいる途中は、荻原作品独特のユーモアで面白いのですが、
なんでだろう、荻原作品で一番面白くないような気がする。
「ママの狙撃銃」も楽しめなかった作品でしたが、これも嗚呼。

生存することの厳しさ、人間が食べ物を摂取することと生き物の命を奪うこと、
生きるために殺すことの背反性、動物や環境保護における人間のエゴを
気付かせてくれるあたりは、さりげなくも熱いメッセージを感じて好きです。

好きな作家なので悪口はあまり書きません。
結末が???な感じも文句言いません。

ハードボイルドエッグ、サニーサイドエッグに続くエッグ物を
また読みたいなぁ、と思いました。